アパート・マンションの定期的な共用部清掃を検討しているオーナー様、管理会社様は、委託先としてどのような業者を検討するのでしょう。
様々な方にお話しをうかがうと多いのは次の2つです。
ひとつは、シルバー人材センター。もうひとつはアパート・マンション清掃専門業者。
これら2つの事業者はそれぞれどのようなメリット・デメリットを有しているのでしょうか。
なるべく客観的な視点に立ち、比較してみます。業者選びのご参考になれば幸いです。
シルバー人材センター | 地域密着型のアパート・マンション清掃専門業者 | |
主な取扱いサービス | 庭の手入れ、家事援助、管理業務、屋内外軽作業 | アパート・マンション巡回清掃・定期清掃・特別清掃、受水槽清掃、消防設備点検、他 |
料 金 | 管理コストがかからない人材派遣システムのため、圧倒的に安い | シルバー人材センターと総合ビルメンテナンス会社・管理会社の概ね中間にあたる料金設定 |
清掃の質 | 個人の意欲・力量による | 教育・研修を受けた自社スタッフのため安定的な仕上がり |
ノウハウ | 登録スタッフは共用部清掃の研修・教育は受けていない。仕上がりやサービスの質は個人により差がある | 共用部清掃がメイン事業のため、取り扱い件数・実績・ノウハウの蓄積がある |
対応可能な オプションサービス | 除草作業 | 除草作業、粗大ゴミ処分、高圧洗浄清掃、ポリッシャー洗浄清掃、高所ガラス清掃(ブランコ)、受水槽清掃、消防設備点検、他 |
対応エリア | 全国に拠点があるため、対応エリアは広範囲 | 地域密着型業者が多く、対応エリアは限定的 |
強みと弱み | 強みは料金の安さ。シルバースタッフのため依頼できる業務に制限がある。管球の交換をはじめとする高所作業、建物の点検・報告などは行わない | 専門業者のため、顧客のニーズ、課題を解決できるノウハウ・技術・経験の蓄積がある。シルバー人材センターに比べると料金は高い |
料金例① | 月額8000円前後 | 月額14,000円〜20,000円 |
料金例② | 発注条件のひとつとして、最低週1回以上の発注を求められることが多い。 | 月額8,000円〜14,000円 |
料金例③ | 発注条件のひとつとして、最低週1回以上の発注を求められることが多い。 ※発注条件は地域・団体により異なる。 | 月額5,000円〜10,000円 |
シルバー世代の方と仕事をしていて一番感じるのは、皆仕事に対して真面目、ということです。遅刻や急な欠勤というのは滅多にありません。30年、40年、働き続けてきた方々ですので、仕事上のルール、社会のルールを守ることの重要性を認識しています。
それゆえ、アパート・マンションの清掃をお願いしたとしても、安心して任せられます。約束した日時どおりに仕事を進めてくれるでしょう。
また、決められた仕事時間を超えて仕事をしてくれる方々も少なくありません。9時から仕事をはじめてもらう約束なのに8時30分にはもう仕事をはじめている、といったことがあります。「どうしてですか?」と聞くと、「しっかり時間をかけてやらないと気がすまない性分で…」という返事。
余計に仕事をした分の給与は保証されませんが、そういった方々にとって大切なのは、自分が納得できる仕事ができたかどうか。このような姿勢には頭が下がります。
おすすめするのは、やってほしい作業内容をしっかりリスト化すること。できれば、作業したかどうかがひと目でわかるようなチェックリストにするといいでしょう。
清掃の内容・箇所によっては、作業をしたかどうかがわかりにくい場合があります。そのようなときチェックリストの作業済み欄を確認することで実施の有無がわかります。 またチェックリストがあることで「作業漏れ」がなくなりますので、「うっかりゴミ置き場の清掃をするのを忘れていた…」といったことが起きなくなります。
チェックリストに加える項目として忘れてならないのは、「異常の点検」です。すべての物件がそうではありませんが、アパートやマンションでは、粗大ゴミの放置、設備の破損、入居者のマナー違反など、「見過ごせない事態」が時として起こります。
異常への対処として重要なのは、早期発見です。
入居者の方々が知らせてくれればいいのですが、それはあまり期待できません。
清掃していれば、建物内をくまなく作業してまわりますので何かあればすぐに気がつきます。シルバースタッフの方には、「小さなことでも結構なので何か気づいたことがあればすぐに知らせてください」とお願いした上で、チェックリストの「異常の点検」欄にも必ず異常の有無を記入してもらうようにします。 できれば写真(画像)を交えて報告してもらうようにしておくことをおすすめします。
清掃は、それを行う個人の意欲・意識・力量により「上手・下手」が分かれてしまう仕事です。それを回避するひとつの方法は、依頼する前に作業内容やルールをしっかり決めておくこと。
また、共用部清掃は入居者の居住空間の中での仕事になりますので、その点の配慮についてもしっかり伝達しておくことが重要です。 主には以下のような項目です。