どのくらいのペースで清掃を実施したらいいのでしょうか。「やり過ぎ」は経費のムダになりますし、「やらな過ぎ」も上述したようなリスクにつながります。
戸数による清掃頻度の判断
10戸くらいまでのマンションやアパートですと、利用の頻度や人数も限られますので、比較的キレイな状態が保たれやすいと考えられます。戸数が増えるにつれ、例えばゴミ置き場の使用頻度なども増えますので、こまめな清掃が必要になります。
戸数別・推奨清掃頻度
戸数 | 日常清掃 | 定期清掃 | 特別清掃 |
---|---|---|---|
~10戸 | 月1~2回 | 年1~2回 | 年1回、不定期 |
11~20戸 | 月2~4回 | 年1~4回 | 年1回、不定期 |
21~30戸 | 月2~12回 | 年1~6回 | 年1回、不定期 |
建物の形態による判断

アパートやマンションの造りを大きく内廊下・外廊下で分類すると、外廊下のような開放廊下の場合、土砂の吹き込みや虫の侵入などの影響を直接受けます。春は黄砂や花粉、夏は虫、冬は落ち葉が入り込みますので、その分清掃にも時間を要します。また雨も入り込みますので、床や排水口なども汚れやすくなります。
一方内廊下・内階段の建物の場合、外からの影響を受けやすいのは主にエントランス付近のみになりますので、汚れやすい場所も限定的です。内廊下の建物でも窓等から土砂やクモが入り込むことはありますが、その影響はさほど大きいものではありません。
敷地の広さや立地による判断

アパートやマンション清掃の頻度を考える際、戸数や建物の造りだけではなく、敷地の広さや立地を考慮する必要があります。共用部清掃の範囲は建物だけではなく敷地全体に及びますので、敷地が広ければ広いほど清掃に時間を要します。駐車場や駐輪場、緑地部分が広い、といった場合や、周囲の自然環境が豊かな場所の場合は、清掃の頻度をより多くしておくという考えが必要となります。例えば公園に近い物件ですと落ち葉の吹き込みの影響を受けやすいですし、川の近くの物件であれば虫の発生やクモの巣の除去に悩まされることが少なくありません。