ウェブ上には数多くの業者が存在していますが、その中から一番と思える業者を選ぶにはどのような観点で選ぶことが大事になるのでしょうか。6つの点から解説します。
日常清掃を専門に行っている業者かどうか

清掃業者にはそれぞれ得意とする分野があります。病院清掃、店舗清掃、オフィスやビルの清掃、アパートやマンションの清掃、ハウスクリーニング、エアコンクリーニング、高所部のガラス清掃等々、清掃の内容は多岐にわたり、それぞれノウハウが必要になります。これらのすべての業務を高いレベルで行える清掃会社はそれほど多くありません。
それゆえ、日常清掃業者を選ぶ際は、「日常清掃を専門に行っている会社かどうか」という視点で選ぶことがまずポイントになります。
日常清掃を専門でやってきている、ということであれば、経験や知見を蓄積し、それだけの技術レベルがあるとみなすことができます。
業者の所在地と日常清掃の経験年数

業者の所在地と経験年数を確認することは、「どれくらいの料金になりそうか」を考える上でのヒントになります。上述したように清掃業者にとって「移動はコスト」になりますので、物件所在地と業者の所在地は近ければ近いほどコストが下がると考えられます。また何か緊急で対応をお願いしたい場合(例えば、カラスがゴミ置き場を荒らしてしまった、等)にも、物件近くの業者であれば、スピード感を持って対応・対処されるものと期待できます。
「経験年数」については、業務経験が長いほど実績があるといえますし、適正価格、またそれに近い価格帯で行っていると考えることができます。清掃業は比較的参入障壁が低い業界で新規参入組も多く存在します。経験が長く清掃案件を多く抱えている業者ほど規模のメリットが生じ、コストが抑えられ、それが価格に反映される、と考えることができます。
どのようなスタッフが清掃を行うのか

現在は様々な事業者がアパートやマンションの共用部清掃を行っています。専門業者だけではなく、シルバー人材センターや便利屋業者、内装業者が行っている場合もあります。また仕事案件とフリーワーカーを結びつけるタイミーのようなマッチングサイトも存在します。
どこに発注するにせよ、「どのようなスタッフが実際の清掃業務を行うのか」について、事前に確認しておくことは大切なポイントです。事業者の中には、日常清掃を単なる一事業として行っているにすぎず、「それゆえ十分な教育体制もない」という事例も数多く存在します。「十分な教育体制がない」というのはそこで雇用される従業員・スタッフにとっては、モチベーションの低下につながります。「何も教えられていないから適当にやってしまおう」という気持ちで清掃されてしまうのは非常に残念なことです。
清掃の内容や進め方はどうなのか

マンションやアパートの日常清掃の場合、そのやり方は、「業者」や「人」によって大きなばらつきがあります。業者によっては、清掃に加え管理人・管理会社的な視点で見まわり点検、異常点検を行う会社もあります。清掃方法も、物件の特性によってやり方を変える業者があれば、どのような物件であろうとほぼ同じようなやり方で清掃してしまう業者もあります。例えば清掃仕様のひとつに「消火器の拭き掃除」があったとして、毎週毎週これを行っているとすれば、その作業が生み出す対費用効果はほぼありません。消火器はそれほど急に汚れませんし、仮に多少汚れていたとしても居住者の目にとまることは少なく、美観への影響も限定的です。そこに時間を割くのであれば、臨機応変に考え、汚れている部分や重要度の高い作業を優先してもらいたいものです。
また難しいのは、同じ清掃会社でも行う人によってやり方が違う、という場合が多くある点です。同じように研修・教育を受けていてもいつしかその人独自の清掃方法に変わってしまい「効果の薄い清掃作業になってしまっている」ということが少なくありません。
どのような報告書が提出されるのか

報告書のスタイルも事前に確認しておきたいポイントです。なかには報告書が提出されない、という場合もありますし、チェックリスト的なものが提出されるだけ、という場合があります。作業項目にチェックマークが入っているだけでの報告書では「どの作業を行ったのか」はわかっても「物件がどういう状態」で「それに対してどのように」清掃を行ったのかはわかりません。発注する側として、できれば「どの部分を、どのように、どの程度」清掃したのか把握しておきたいものです。
またできれば写真つきの報告書であれば安心感は高まります。ですが、写真報告書が提出されるといっても気をつけなければならないのが、業者によっては「写真を撮ることが目的化している」「報告書をつくることが目的化している」場合があるということです。
清掃は二の次、しっかりした写真付の報告書を提出することが重要、と考えられてしまっては本末転倒です。
会社の雰囲気・対応

これはなかなか把握しにくいものですが、やはり対応が丁寧で親切な会社に仕事をお願いしたいものです。特にマンションやアパートの共用部は居住者の生活スペースですから、現場での丁寧なあいさつ、身だしなみ、身のこなしが求められます。いくら清掃の仕上がりや質が良くても「職人的で不愛想」ということでは居住者を不安・不満にさせてしまいますし、場合によってはそれがクレームの種となってします。
実際の会社の雰囲気を知るすべとして、依頼する前にできるだけ多くのやり取りをしておく、というのがひとつポイントになります。担当者はつくのか、緊急時には誰に相談したらいいのか、要望を言いたいときにどのような方法でそれを伝えられそうか。これらの漠然とした不安や心配が現実にならないよう、電話やメールなど事前のやり取りを通じてある程度の判断をしておくことが大切です。