Q1. 共用部清掃には何があり、目的は?
A. 大きく3種類です。
- 日常清掃:美観維持・衛生管理(週5回~月数回)。
例:掃き拭き、ゴミ置場整理、手すり拭き。〈10戸で20~50分目安〉 - 定期清掃:蓄積汚れのリセット(月1~年1回)。
例:床機械洗浄・ワックス、石床洗浄、ガラス清掃。〈10戸で3~5時間目安〉 - 特別清掃:設備保護・法令対応(年1回~不定期)。
例:照明・空調、屋上・排水管、貯水槽などの専門作業。
Q2. 清掃を怠るとどんなリスクがある?
A. 三重苦に直結します。
- 退去率↑:共用部の汚れは満足度を下げ、内見時の印象も悪化。
- 資産価値↓:汚れ放置で素材が劣化し、結局張替え等の高コストに。売却時評価にも影響。
- 信頼失墜:悪臭・害虫・転倒事故の温床に。賃貸住宅管理業法でも共用部の点検・清掃は維持保全業務として求められます。
Q3. 掃除の頻度はどう決める?(目安は?)
A. ①戸数 ②建物形態 ③敷地・立地で判断します。
- 戸数別目安
<~10戸>日常 月1~2回/定期 年1~2回/特別 年1回・不定期
<11~20戸>日常 月2~4回/定期 年1~4回/特別 年1回・不定期
<21~30戸>日常 月2~12回/定期 年1~6回/特別 年1回・不定期 - 建物形態:外廊下は風雨・砂塵・虫の影響で汚れやすく頻度多め。内廊下は汚れ箇所が限定的。
- 敷地・立地:駐車場・緑地が広い、公園や川が近い等は落ち葉・虫対応で頻度多めに。
Q4. 費用相場と、コストを抑えるコツは?
A. 相場は「戸数ベース」か「戸あたり単価ベース」で算出
(いずれも目安、現地確認で変動)
- 戸数ベース
(月1回の例):~10戸 4,000~12,000円/11~20戸 6,000~16,000円/21~30戸 8,000~20,000円※月2回・4回はこの倍数目安
(例:~10戸 月4回で15,000~40,000円 など)。 - 戸あたり単価(1回):400円~600円×戸数
(例:20戸×500円=10,000円/回 目安)。 - コスト削減の考え方
①回数の最適化:毎日→週1など、実態に合う頻度へ見直す。
②近場の業者:巡回清掃は移動時間=人件費。物件近くの業者ほど単価が抑えやすい。
Q5. 自主清掃と業者委託、どちらが良い?
外注時のチェックポイントは?
A. 目安は次のとおりです。
- 自主清掃:メリット=直接コスト0円・状況把握◎。デメリット=時間・道具管理・継続が難しい。〈~10戸・2階建て向き〉
- 業者委託:メリット=プロ品質・継続担保。デメリット=費用発生・任せきりだと現状把握が薄くなる。〈中~大規模向き〉
- 外注時の主なチェックポイント
- 日常清掃を専門にしているか
- 事業所の所在地(近さ)と経験年数
- 実際に清掃するスタッフの質・教育体制
- 清掃内容・進め方(物件特性に合わせた臨機応変さ)
- 報告書の質(写真・具体性/報告が目的化していないか)
- 会社の雰囲気・対応(挨拶・身だしなみ・相談体制)